1939(昭和14)年、鮮魚を扱う問屋マルナマ古清商店として創業したマルナマグループ。現在は、世界中からおいしい海産物を仕入れ、消費者の食卓に届けるまでを一貫して扱います。その分野は広く冷蔵庫機能や水産加工などさまざまな角度から海産物に関わっています。食のおいしさを追求する同グループが展開しているお土産店が、函館駅前のハコビバ内に店舗を構える「函館まるなま水産」。こだわりの調味料や乾燥珍味、鮭やイカなどの海産物がショーケースいっぱいに並び、函館の海産物を楽しめる場として、観光客から人気を博しています。
同店舗の運営に関わるのは、経営企画室室長の古伏脇隆太さん。函館で生まれ育ち、高校卒業後は東京の大学へ進学します。卒業後、東京の水産系商社に勤め、3年前に帰郷し、家業であるマルナマグループに携わります。今では、社内での役割も幅広く、製品原料の仕入れや、店舗や会社の運営・パッケージデザインなど、その業務は多岐にわたります。
函館まるなま水産の看板商品のひとつに、食欲をそそる香りが立ち込める、いかめしの実演販売があります。コロナ禍以前には、1日100個以上も売れる人気ぶりです。原材料には、強いこだわりを持ち、身の厚い国産のイカ、米は道南米「ふっくりんこ」と、八雲町で生産されているもち米「風の子もち」を使用しています。甘めの特製タレで煮込むいかめしは、簡単に切れるほど柔らかく、誰からも愛されるような、優しい味付けに仕上がっています。観光客はもちろん、地元のお客さまからの評判も良いと言います。
今後について古伏脇さんは「実演販売をはじめ、オリジナル商品の開発など、美味しいものを食べることが出来る、より函館を好きになってもらえるような店舗作りにこだわっていきたい」と話します。自分にルーツのある仕事に胸を張り、日本全国、世界各国の人々に函館の魅力が届くよう、これからも函館を発信し続けていきたい。そう語る古伏脇さんの言葉には、地元函館への強い思いがあり、気概に溢れていました。
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道南でつくられるこだわりの食品を集めた通販サイト「道南地元市場」を運営するロカラ(函館市鍛治1、中川真吾社長)のスタッフが各地のつくり手たちのもとに足を運び、生産者の思いをまとめます。(毎月第3日曜日掲載)