【江差】江差町のいにしえ街道では、花嫁行列や地場産品を販売するイベント「2025春の江差いにしえ夢開道」(実行委主催)が開かれた。1組の夫妻と一団が江戸時代の面影が残る街道を艶やかに練り歩き、その姿を一目見ようと多くの町民らが訪れ、2人を祝福した。
イベントは節目の30回目。同町出身で昨年5月に入籍したという札幌市在住の池浦歩輝さん(29)美夢さん(28)夫妻が大役を務めた。
夫妻と歌い手や鹿子舞、尺八、大傘、高張りちょうちん、小道具などを手にした一同約50人は午前11時半に出発。途中、国指定重要文化財の旧中村家住宅では「嫁入り」を執り行ったほか、棚橋健蔵さんが江差追分を披露。沿道に集まった人は、拍手や祝いの言葉を2人に伝えた。
歩輝さんは「自分が育ったまちを妻に見せることができたことと、まちを挙げて祝ってもらえる機会になったのでうれしい」と喜び、美夢さんは「緊張したけど、親に晴れ舞台を見せることができて良かった」と幸せそうだった。
姥神大神宮周辺にはキッチンカーや露店が軒を連ねたほか、姥神広場の特設会場で江差中学校吹奏楽部の演奏、民謡歌謡ショーなどのパフォーマンスがイベントに花を添えた。(竹田 亘)