日本最大のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」がスタートするなど、チョコレートブームの波が巻き起こっている中、2003年10月に五稜郭の程近くにオープンしたシュウェットカカオ。函館初のチョコレート専門店としてチョコレートを筆頭にケーキや焼き菓子、アイスなど幅広い洋菓子をそろえています。
オーナーシェフを務めるのは、函館市出身の館山雅紀さん。札幌の製菓専門学校を卒業後、札幌グランドホテルでアイスクリーム作りに従事し、菓子職人としての道をスタート。その後、洋菓子店などで修行を積み、帰郷します。同時に、北斗市の「末廣軒」の姉妹店「パティスリー ジョリ クレール」の立ち上げに参画し、菓子づくりだけでなく、商品企画や店舗運営にも携わり、自身が手がけるチョコレートを提供することで売り上げにもつなげていました。
そうして、5年間勤め上げた後、当時では函館市内で唯一のチョコレート専門店シュウェットカカオをオープンします。函館に住む人が、気軽においしいチョコレートを食べられるようにしたいという思いから、専門店としてはリーズナブルな価格で提供しています。また、修業時代にその魅力に感化されたアイスクリーム専門店をオープンさせたりと、自身がおいしいと思うものを気軽に食べてもらいたいという想いを館山さんは形にしてきました。
シュウェットカカオ最大の魅力は素材です。全世界のカカオ生産量の3~5%ほどしか栽培されていない「クリオロ種」という、高品質で希少性が高いカカオを使ったショコラをメインに使用しています。また、牛乳は北斗市にある、1920(大正9)年創業の鈴木牧場のものを使用し、アイスクリームやプリンは濃厚な味わいと優しい香りを引き立てています。
今後の目標を聞くと「函館を発信していきたいとか、もっと店を大きくしたいとか、大層な夢は持ってないんです。ただ、来てくれた人においしいといってもらえるようなお菓子を、一緒に働いてくれている従業員と一緒に作って行けたらそれで満足です」と答えてくれました。言葉の節々に謙遜と感謝があふれ出していた館山さん。函館初のチョコレート専門店として約20年続けてきた実績をもとに、これからも従業員の方々とおいしいチョコレートを届けていきます。
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道南でつくられるこだわりの食品を集めた通販サイト「道南地元市場」を運営するロカラ(函館市鍛治1、中川真吾社長)のスタッフが各地のつくり手たちのもとに足を運び、生産者の思いをまとめます。(毎月第3日曜日掲載)