集中治療室(ICU)での看護師の役割
集中治療室には、生命の危機状態にある患者さんや手術後の患者さんなど、集中治療が必要とされるさまざまな診療科の患者さんが入室されます。特に病気やケガ、手術後などで大きな侵襲を伴った患者さんは、呼吸や循環の異常などを来すリスクが高く、安定するまでさまざまな薬や医療機器を使用し、症状を観察する必要があります。ちょっとした変化から、患者さんの身にどのようなことが起こるのか予測し、患者さんの状態が良くなるため、また、悪化しないためにはどのような看護が効果的か考えていきます。
以前なら治療、回復のため安静にしていることが主流でしたが、現在は安静よりも、早い時期からリハビリテーションを含めて身体を動かすことが、回復のためには良いと言われています。入院前の生活にできるだけ近づけるように、可能であれば手術した翌日から、リハビリテーションを促していきます。安静にしている時間が長くなると、筋力低下や関節拘縮、床ずれ、肺炎などの発生リスクが高まり、身体にとっては良くない症状が起こります。その結果、治療に時間を要し、入院期間が延びてしまうことが考えられます。ほかにも、食事や休息、薬剤など、総合的に考えることが必要となるため、薬剤部や栄養科など、さまざまな部門との連携を取ることも多く、チーム一体となって看護を実践していきます。
また、突然のケガや病気により、入院や手術が必要となった患者さんやそのご家族は、大きな不安を抱く方が多いと思います。少しでも患者さんやご家族の不安に寄り添えるよう、会話や表情から訴えを捉え、患者さんやご家族の立場になって、一緒に考えながら精神的にもサポートできるよう心掛けています。
患者さんやご家族が安心して治療を受け、一日でも早く回復し社会復帰につながるよう看護することが集中治療室での看護師の役割となっています。
(ハコラク 2022年 4月号掲載)
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