渡島総合振興局は今年度、優れた道南産品を網羅した食材ハンドブック「南北海道食彩王国」を5年ぶりに大幅刷新する。新型コロナウイルス禍を経て、道南の食の〝新陳代謝〟が加速しており、掲載品の更新や新たな生産者の紹介などリニューアルが必要と判断した。新たに観光要素も加え、食と観光のブランド力を強化する。
振興局の地域政策推進事業(独自事業)で「『南北海道食彩王国』ビルドアップ事業」(2025~29年度)として、今年度は294万3000円を措置した。
現行の南北海道食彩王国(A4判全カラー168ページ)は2020年度に全面改訂し、21年度に修正・増刷。今回はコロナの影響などで廃業に至った企業もあることから、新たな生産者の食材や製法に対するこだわり、商品の特徴を掘り下げる。道産食品のトップランナーを選定する「北のハイグレード食品」(道主催)で、22年度以降に認定を受けた道南産品12品も新たに収録する。
観光は、農業体験や工場見学などの大人も子どもも興味を引きやすい内容を記事として盛り込む考え。
現行とほぼ同じページ数を想定し、年内に取材や写真撮影を終え、年度内にも完成させる。完成品は百貨店やスーパー、通販などのバイヤー、料理人、観光事業者などに配る。
また、道南ワインアカデミー(今年度は5回程度)、10月に函館市内で「道南食と観光ブランドフェア2025」を開くほか、地元料理人向けの食材勉強会も計画している。
振興局商工労働観光課は「函館は『食のまち』のイメージが強いが、若手が育たないなど課題もある。魅力的な食材や料理法を発信することで、課題解決の一助になれば」としている。(山崎大和)