高齢化社会で在宅生活を支える私たちの役割
~その人らしい生活を維持するために~
現在、日本の高齢者人口は急速に増加しており、65歳以上の高齢化率は2042年にピークを迎え、2055年には全人口の40%を超えると予想されています。函館市も例外ではなく、北海道の中でも高齢化が進んでいる地域の一つで、高齢化率は年々上昇しており、高齢者の割合が増加しています。高齢化が進むことで、地域社会においてさまざまな課題が浮かび上がり、介護サービスの需要増加、医療・福祉資源の確保などが求められ、地域の活性化や高齢者の孤立防止のために地域づくりや支援体制の強化が重要視されています。このような現状や課題の中で、高齢者が自分らしい生活を最後まで維持し、自分の価値や希望を尊重される状態で生活できるようにすることが私たちの重要な役割であると日々感じております。
また、がん末期の方が緩和ケアの一環として、自宅での療養や看取りを選択することが増えてきており、厚生労働省が推奨する動きとして近年注目されています。
現在、当ステーションでもバイタルサイン測定や健康状態の観察、服薬管理、医師の指示に基づく医療行為(点滴、注射、創傷の処置、カテーテル管理など)、緊急時の対応、がん末期における症状の緩和など多岐に渡るサービスを提供しています。
環境や物品、設備などが整っている病院とは違い、利用者様のさまざまな生活環境の中でニーズに合わせた柔軟な対応が求められます。訪問看護を利用することにより、点滴などの医療行為が住み慣れた自宅で受けることができるケースが多くあり、がん末期の利用者様が自宅で最後の療養や看取りを希望されても脱水や栄養補給、痛みの緩和などに対するケアを受けることができます。また、各医療機関やケアマネージャーなどと情報共有・連携することで安心して在宅生活を送ることが可能です。
私自身、訪問看護に携わって間もないですが、病院での経験を生かし、利用者様の笑顔を支えていきたいです。
(ハコラク 2025年4月号掲載)