日本糖尿病療養指導士-CDEJ-をご存じですか?
「糖尿病」という言葉を聞いたことがありますか?糖尿病とは、血糖値が下がりにくくなり、慢性的に高血糖状態が続いてしまう病気のことです。原因として、インスリンという血糖値を下げるホルモンの働きが低下・不足してしまうことが挙げられます。高血糖状態が続くとさまざまな症状が出現します。手足のしびれや感覚が鈍ってしまう「神経障害」、目がかすむ・失明の可能性もある「網膜症」、そして「腎症」などがあります。腎症が進行すると、人工透析が必要となる可能性もあります。放っておくと症状がどんどん進行していくのが糖尿病の怖さです。糖尿病になると完治は難しく、少しでも症状を抑え、ともに付き合っていくことが必要になります。 主な治療方法は、薬物療法、食事療法、運動療法です。最初は「どんな薬を飲むの?食事は何に気を付けたらいいの?どんな運動をしたらいいの?」と悩まれる方が多いです。そんな悩みや不安を少しでも減らせるように支援を行うのが「日本糖尿病療養指導士(CDEJ)」です。
CDEJは、糖尿病治療において幅広い専門知識を持ち、自己管理方法を指導・支援していく医療スタッフのことをいいます。CDEJを取得できるのは、医療スタッフの中でも看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士に限定されます。
その中でも私たち理学療法士は「運動療法」に関わり、運動の方法や内容、注意点を細かく指導していきます。運動は血糖値が下がりやすくなることや、インスリンが働きやすくなる効果が期待できるため、重要とされています。特に散歩やジョギング、自転車などの「有酸素運動」は効果的です。ただし、空腹時や食事前の運動は低血糖状態になる危険性があるため、できる限り控えてください。
糖尿病になったからといって、ライフスタイルを大きく変える必要はありません。少しでも悩んだら医師やCDEJにご相談ください。明るく充実した生活が送られるよう、一緒に考えていきましょう。
(ハコラク 2024年12月号掲載)