ポリファーマシーとは
皆さんはポリファーマシーという言葉を聞いたことがあるでしょうか?ポリファーマシーとは、薬剤の「多剤併用」の事を言います。多剤併用とは、一般的には6種類以上を示すことが多いですが、明確に何種類以上でポリファーマシーである、というような定義はありません。ですので、単純に「ポリファーマシー」=「飲んでいる薬の数が多い」ということではありません。
では、ポリファーマシーの問題点とは何でしょうか。それは、「薬物による有害事象発現頻度の増大」などが挙げられます。薬物による有害事象発現に関しては「高齢者の安全な薬物ガイドライン2015」でも6種類以上で薬物有害事象の発現のリスクが特に増加する、5種類以上で転倒の発生率が高かった、などの報告がありました。
一つ注意しておきたいのは、世間でよく使われる「副作用」と「薬物有害事象」とは少し意味合いが異なる点です。副作用とは「薬の使用により生じた、薬との関連を否定できない有害な反応」、薬物有害事象とは「薬の使用後に発生する有害な症状で、薬との関連を問わない事象」です。よって、先ほどの6種類以上飲むことによる薬物有害事象とは、現在飲んでいるお薬の副作用として知られていないような有害な事象が起こる可能性があるということです。そういった事を防ぐために役に立つのが、お薬手帳であり、また、かかりつけ薬剤師など、かかりつけの薬局を持つことです。これらを活用する事で薬の重複の確認など、患者様が適切に服用できるよう、お手伝いをさせていただきます。
最後になりますが、一番大切なのは、飲んでいるお薬の数ではなく、本当にそのお薬が必要かどうかという点です。とはいえ、どのお薬が本当に必要なお薬か自分では判断できない方がほとんどだと思います。その時は遠慮せず、ぜひ、かかりつけの医師・薬剤師に相談してみてください。
(ハコラク 2022年 2月号掲載)
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