進む!レントゲン写真のデジタル化
レントゲン写真といえば、医師がレントゲンフィルムを光にかざしている場面をイメージする方も少なくないと思いますが、最近では少しずつ変わってきているのをご存じでしょうか。もちろんそのイメージの通りにレントゲンフィルムで診断を行うこともありますが、デジタル機器の技術の進歩により、医療用の高精細モニターに映し出された画像をもとに診断することが主流になってきているのです。身近な例でいうとデジタルカメラの普及で写真を現像することが減り、データとして簡単に確認できるようになったのを考えていただくと想像しやすいかと思います。
どのように画像が作られているのか最新の機器を例に説明します。デジタルシステムではFPD(Flat Panel Detector:フラットパネルディテクター)と呼ばれる厚さ2㎝ほどのパネルを使用し撮影します。人体を透過したX線をFPDが感知し、内部で瞬時に電気信号へと変換することでデータとして画像が作られます。FPDを用いることでさまざまな利点があり、その中でも患者様にも関わってくる主な利点を3つご紹介します。1つ目は少ないX線量で高画質な画像を実現できるため、従来と比較して50%以下の被ばく線量で撮影することが可能になりました。2つ目は画像がその場で瞬時に表示されるため画像の確認に時間がかからず、結果として待ち時間の短縮・撮影効率のアップにつながります。3つ目はそのまま画像をデータとして医師の元に送信することですぐに各々の診察室のモニターにて画像の確認ができ、フィルムを運ぶ手間が無くなりました。近年、フィルム写真が少なくなっている背景にはこのような理由があったのです。
デジタルシステムの普及により、患者様にはより安心かつスムーズで快適な医療を提供できるようになりました。今後、さらなる医療の進歩とともに、より良い環境づくりができるように我々も日々精進していきたいと思います。
(ハコラク 2021年9月号掲載)
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