知っていますか?インフルエンザの検査を鼻でするワケ
毎年流行するインフルエンザ。ニュースで子供が鼻に綿棒を入れられ泣いている映像は皆さんご覧になったことがあるでしょうし、実際に検査を受けて痛い思いをした方も多いと思います。
なぜ痛い思いをしてまで、鼻で検査をするのでしょうか?
インフルエンザの検査は、粘膜を採取してウイルスに感染しているかどうかを調べます。そして、インフルエンザウイルスは鼻から喉にかけての上気道と呼ばれる部分の粘膜に存在し、特に鼻の奥の粘膜に多く存在するからです。喉の粘膜でも検査は可能ですが、鼻の奥から採取するのと比べると検出率は低くなってしまいます。より正しい検査結果を得るために鼻で検査をすることが多いのです。
検査は抗原抗体反応を利用した「イムノクロマトグラフィー法」と呼ばれ、インフルエンザウイルス(抗原)を色の付いたタンパク質(抗体)と反応させて、目には見えないウイルスの有無を色調として捉え陰性、またはA型、B型として判定できるようになっています。この検査には特別な機械は必要なく、手軽で30分以内に結果が分かることから、多くの医療機関で採用されています。
ただし、感染していても症状が出る前や発症12時間以内でウイルス量が少ない時期に検査をした場合には、結果が陽性にならないことがあります。検査の結果が陰性だったのに、翌日もう一度来てくださいと言われることがあるのはこのためです。
インフルエンザ感染症の症状や予防法・薬については情報を得る機会があるでしょうが「なぜ鼻に綿棒?」という疑問をお持ちの方が多いと思い、検査の一例をご紹介しました。
私たち臨床検査技師はこのような感染症に関わる検査にも日夜取り組んで臨床支援をしています。
(ハコラク 2019年3月号掲載)
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