子どもを一番に考えた時に、できること
発達障がいやヤングケアラーという言葉が広く知られるようになり、体罰を禁止する法律や医療的ケア児支援法など、子どもに関する法律が制定され、子どもに関するニュースが報じられる機会は増えているように感じます。しかし同時に、なかなか自分の事のように捉え、感じることが難しいのも事実かと思います。
病院には各専門分野の医師がおりますので、それに合わせてさまざまな子どもときょうだい家族が病院に来られます。医学的な治療とともに、発達の特性があったり、日常的に医療的なケアが必要であったり、時に家族間の問題があり、暴力が存在する場合もあります。ここに妊娠・出産が絡むこともあります。このように考えると、単に子どもと言っても支援の対象者も内容も多岐に渡ります。医師や看護師、助産師、心理士、社会福祉士などの多職種がチームとなって対応方法を考え、さらには地域のさまざまな機関とも連携し、その時に必要なお手伝いと、将来的に考えられる状況を予測して関わっていきます。
受診に来た子どもの中には、静かに座っていることができずに、大声を出し、廊下を走ってしまう子どももいます。その場に居たら「うるさいなぁ、静かにさせられないの?」と思ってしまうかもしれませんが、相手の立場に立って、子どもを一番に考えてみるとどうでしょうか。「この親子のために何かできることはないかな?」と少し違った視点を持つことができると思います。
2021年9月、函館中央病院に「こども子育て支援室」というお部屋ができました。子どもを一番に考え病院として何ができるのかを考えるお部屋です。実現することが難しいこともありますが、さまざまな子どもときょうだい家族のために、医療の立場から、また一人の大人として、できることがまだまだあるのではないかと思っています。皆さんの声もたくさん聴かせてください。
(ハコラク 2022年 3月号掲載)
函館中央病院
函館市本町33-2
☎0138-52-1231(代)
http://www.chubyou.com/
■診療科目/内科、消化器内科、腫瘍内科
循環器内科、小児科、外科
整形外科、形成外科、心臓血管外科
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