全日空(ANA)は1日、夜間と早朝に函館―羽田線を1往復増便し、羽田からの最終便として到着した航空機が函館空港で一夜を明かし、翌日の早朝便として羽田へ向かうナイトステイ(夜間駐機)を開始した。
1日午後7時45分ごろ、羽田からの最終便が定刻通り到着し、降り立った乗客は、到着ロビーで北海道エアポートと函館市の職員の出迎えを受け、函館市の観光パンフレットやドリップコーヒー、入浴剤「湯の川温泉の素」などの記念品を受け取った。
函館市の会社員、小林美夏さん(56)は「今までは東京午後5時20分発の新幹線に乗って函館に帰っていたが、最終の函館行きの航空便が1時間以上遅くなり、すごく便利になった」と喜んだ。
翌2日は、午前8時の羽田行き早朝便の出発を前に、函館市の大泉潤市長や北海道エアポート(HAP)の蒲生猛社長、ANAの宮坂純子札幌支店長、細田真悟函館支店長など関係者が「早朝便就航記念セレモニー」を行い、テープカットで就航を祝った。
ANAの宮坂支店長は「函館・道南の皆さまにとって利便性が高く利用しやすいダイヤを組んだ」とし、「羽田空港での乗り継ぎの選択肢が広がり、各地との往来が活発になり、交流・関係人口が増加することを期待している」と述べた。
大泉市長は「函館―羽田線は国内客のみならず、海外の方からも多くの利用する需要の高い路線で、時期や時間帯によって予約が取りづらく、市として増便や機材の大型化、ナイトステイについて要請してきた」としたうえで「ビジネス客の利便性の向上や、函館市内の周遊・滞在の促進が図られるものと期待している」と述べた。(市丸和秀)