業務用食品卸売業の「アキヤマ」(小林周平社長)は2日、北斗市東前3の営業本部の食堂で、五島軒(若山豪社長)とコラボした社員対象の社食の提供を行った。アキヤマの福利厚生の一環で、五島軒名物の税込み1000円のカレーライス約30人分が昼食に提供された。本店でカレーを作り、アキヤマに運んだ。
同社の伏見千春さん(56)は「大変、おいしかった。たまに五島軒のレトルトカレーを食べることはあるが、店舗のカレーはなかった。味に深みがあり、後から辛さが来る感じ。社食で食べられ、良かった」と話す。
今回のアイデアは、アキヤマの小林久周会長(77)と五島軒の渋谷恵太本店営業部長兼本店長(38)の話し合いから生まれた。
小林会長は「五島軒と長年取り引きがあり、五島軒のカレーを社員に食べてもらおうと企画した。深い味わいをかみしめ、仲間に良さを伝えてもらいたい」と話す。
五島軒のカレーを社食で提供するコラボ事業は、五島軒の業者会で函館を中心に道内の89社からなる「惣英の会」の企業に拡大。すでに8社からオファーがあり、今後、社食を提供する予定だ。
五島軒の若山社長(42)は「五島軒の支店が以前より減り、函館市民に五島軒のカレーを食べていただく機会が減っているので、社食での提供で、市民との触れ合いをもっと増やしたい」と話す。
五島軒では人手不足から本店での宴会を、テーブルにサービス員が付かない「セルフ宴会」方式に転換した。その際、アキヤマは2024年1月に他社に先駆け、五島軒で「セルフ宴会」方式で新年会を実施した。
小林社長(46)は「どこの企業も人手不足で、かつてのようなフルサービスは難しい。当社としても、歴史のある五島軒の社食や宴会など新たな取り組み事業に率先して協力して行きたい」と話している。(加納洋人)