海産物卸問屋「福田海産」(函館市宇賀浦町、福田久美子社長)は、店舗内の一角に海鮮丼などを食べられる飲食店「函館おさかなセンター」をオープンした。津軽海峡を望む絶好のロケーションで、未利用魚の消費を促進し価値を高めるのが狙い。木・金・土曜のみ営業する。
同社によると、来店客から「海の見える場所でゆっくりと食事がしたい」との声が以前からあったという。店の一角にカウンター6席、テーブル一卓(4人掛け)を手作りし、今月8日に開業した。同社水産加工工場長でセンター長の斉藤いゆさん(33)が調理を担い、斉藤さんを含めスタッフ4人で切り盛りする。
メニューは、本マグロやサーモンが載った桜福海鮮丼セット(みそ汁付き)が1500円、函館サメフライバーガーが650円、丸かじり活エゾアワビが1個600円、函館ホッケフライが2枚350円、函館サメフライが2枚350円、本日のお楽しみ地魚料理が400円。アワビは福島町の陸上養殖アワビを使い、ストレスが少ないため肉質が軟らかい。地魚料理は、マグロの皮やマフグのたたきなど珍しい一品を出す。
このほか、函館で醸造した日本酒「五稜」も用意しており、斉藤さんは「地魚と地酒を楽しめる店にしたい」と意気込む。
未利用魚はカガミダイやタナゴ、ガヤ(エゾメバル)など食べられる可能性があるものを有効活用。魚は函館や森などの漁師の協力で仕入れ、斉藤さんは「魚を120%楽しんで」とPRする。
店内には、海中映像を流す大型画面を設置したほか、タツノオトシゴ(サンゴタツ)の展示、マダラの耳石やオオバンヒザラガイの貝殻、アブラツノザメの角、ホシザメの骨などの魚グッズの販売も。また、全席でおもちゃの釣りができる。
オープンから3日間は計50人が訪れ、盛況だったという。福田社長は「珍しい、旬の魚をお客さまに提供したい。津軽海峡の眺望も売りにしたい」と話す。
営業は午前11時~午後3時で、営業日が祝日の場合は休み。問い合わせは同社(0138・30・8833)へ。(山崎大和)