がん登録で分かること
「日本人の2人に1人は、がんになります」「近年の肺がん患者の傾向としては、女性と非喫煙者が増えています」といった情報をテレビや広告などでご覧になったことがあるでしょうか。これらの情報は「毎年どのくらいの人が新たにがんと診断されているのか」を把握しなければ分かりません。その数字を正しく知る唯一の方法が「がん登録」制度です。
がん登録はわが国が実施するがん対策の一つです。平成28年に「がん登録等の推進に関する法律」が施行され、全国全ての病院と一部の診療所は、がんと診断された人のデータについて、各都道府県知事に届け出ることが義務化されました。これを「全国がん登録」と言います。これまで行われてきた「地域がん登録」では、全ての病院に届出義務がないため、正確な情報として活用が出来ませんでした。しかし、全国がん登録がスタートしたことにより、国(国立がん研究センター)が全てのがんの情報を一つにまとめて管理することで、精度の高い、正確ながん情報を効率的に集め、素早く公表出来るようになりました。
これにより毎年どのくらいの人が新たにがんと診断されているか、がんになってからある一定の期間経過した人たちが、どのくらい生存しているかなどを正確に把握することが出来ます。さらに、がん登録のデータとほかのデータを組み合わせることにより、がんにかかる原因、予防法、がん検診の効果などの分析に役立てることが出来ます。
平成26年に北海道がん診療連携指定病院、令和元年に小児がん連携病院(類型3)の指定を受けた当院でも、毎年新たにがんと診断された症例について、研修を受けたスタッフが、がん登録を実施しています。近隣の地域がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院が連携することで、より質の高いがん診療が提供出来るのです。
(ハコラク 2020年11月号掲載)
函館中央病院
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