特定行為研修を修了し、特定行為の実践を通して考えること
「特定行為」とは診療の補助であり、看護師が特定行為を行う場合には手順書が必要となります。特定行為は実践的な理解力、思考力及び判断力、高度かつ専門的な知識と技能が特に必要とされる行為のことを指します。団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、医療の効率的なタスクシフト、高齢化社会における医療を充足するために、看護師が役割をより発揮する必要があると言われています。2014年に厚生労働省の「医道審議会看護師特定行為・研修部会」では2025年までに特定行為を実践できる看護師を10万人以上養成する意向としていましたが、現在は2000人以下しかおりません。私は多くの看護師に研修を受講してほしいと考えており、その理由は次に記載する研修の内容にあります。
特定行為は研修を修了した看護師が実践可能となります。私が受講した日本看護協会看護研修学校では、臨床病態生理学、臨床推論・鑑別診断、フィジカルアセスメント・身体診察手技、臨床薬理学、疾病・臨床病態概論、特定行為実践などを学びました。その結果、看護を行う際のアセスメントや対応方法を考える幅が広がり、患者さんや家族への説明内容もより具体化され、また、看護師間での説明、指導内容にも研修で学んだ内容が生き、看護の質の向上にも繋がっていると感じています。2020年2月から毎週金曜日を活動日とし現在までに20件程度を実施しています。行為によっては直接、患者さんと時間調整が出来るため、よりタイムリーな対応が可能になりました。
今後、在宅医療の充実が求められており、特定行為が可能な看護師が在宅へ訪問し、患者さんの状況を観察後、医師の指示に沿った手順書をもとに必要な医療を提供する形も期待されています。特定行為研修を終了した看護師として、高齢化が進む函館市や医師の少ない地域での医療にも貢献出来ればと考えております。
(ハコラク 2020年9月号掲載)
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