リハビリ「理学療法士」の仕事
　～４月から函館に養成校が開校します～

　理学療法士はリハビリ専門の国家資格です。英語ではphysical therapist（フィジカル・セラピスト）と訳されることからセラピストに属し、頭文字をとって「ＰＴ」と呼ばれます。また、リハビリのセラピストはほかにも、作業療法士occupational therapist（オキュペイショナル・セラピスト）や言語聴覚士speech therapist（スピーチ・セラピスト）がいて、それぞれ、「ＯＴ」、「ＳＴ」と呼ばれています。
　ＰＴのＰ、フィジカルには「身体的・肉体的」という意味があり、セラピストの中で「身体機能」を担います。そのため、私たちのリハビリは運動や訓練と思われやすいのですが、実際にはもう少し多様なアプローチをしています。
　今年は東京オリンピックがあります。スポーツ界では、身体を鍛え技術を高めても目指していた結果が出せるとは限りません。心・精神を含めた体調や環境を整えるコンディショニングが結果を左右します。心身ともに充実しベストパフォーマンスを出すことが良い結果につながり、実力以上の力を発揮できることもあります。これは患者さんのリハビリにも言えます。ただ一方的に訓練させるのではなく、患者さんのこれまでを知り、これからの生活についてご本人やご家族と一緒に立てた目標を目指します。「良くなりたい」、「元の生活に戻りたい」などの思いに寄り添い、充実したリハビリの時間を過ごしてもらうことが成果を引き出す鍵となります。理学療法士には、身体の専門家としての知識や技術とともに、セラピストとして心身ともに導けることが重要だと思います。
　今年の４月、函館に初めてセラピストの養成校が開校します。函館を含む道南は高齢化がとくに進行しています。将来、若いセラピストたちが多くの高齢者を支えられるような地域を築いていきたいと思っています。
（ハコラク　2020年4月号掲載）

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