呼吸リハビリテーションとは
呼吸リハビリテーションは、誤嚥性肺炎や慢性呼吸器疾患である間質性肺炎、気管支喘息などを患っている患者さまに対して広く行われています。呼吸器の病気を患うと普段の日常生活でも息切れや息苦しさが生じてしまい、その不安から歩行することを躊躇してしまう患者さまもいらっしゃいます。それが要因となって足腰の力が衰え、だんだんと日常生活の活動が制限されてしまう〝悪循環〟を引き起こしてしまいます。この悪循環を引き起こさないために足腰の筋力訓練を行い、呼吸困難感や不安感の改善を図ります。また、患者さま個々に合った生活指導を行うことで生活の質の向上に向けて一緒にリハビリを行います。
そのほかにも、肺や食道などの胸部や、胃や大腸などの腹部の手術をされる患者さまにも呼吸リハビリテーションが行われています。手術後の患者さまは、麻酔や傷の痛みなどから深呼吸や咳をすることが難しくなります。このような状況では健康な方の呼吸状態とは異なり、肺炎や無気肺など呼吸器合併症を生じるリスクが高くなります。さらに、手術後は呼吸機能の低下により体力も低下すると言われています。これらの呼吸器合併症を予防するためには、できるだけ早期からの呼吸訓練や、がいそう練習(痰を出すための練習)などの呼吸リハビリテーションを行い、肺をはじめとして全身状態を悪化させないようにすることが重要となります。
一定の経験を要する理学療法士や看護師などの医療資格者が、呼吸器系に関わるさまざまな専門知識と技術を習得すると認定される資格に「呼吸療法認定士」というものがあります。前述の通り呼吸はとても重要であり、日常生活および全身状態に深く関わっております。まだまだ認知度の低い認定資格ですが、今後「呼吸療法認定士」の資格も重要視される時代が来るかもしれません。
(ハコラク 2020年4月号掲載)
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