病院の「地域医療連携室」と 「相談支援室」の機能と 役割について
病院には、地域のクリニックや病院などの医療機関と連携を行う「地域連携室」や、外来通院や入院している患者さん、ご家族が安心して療養ができるよう相談を行う「相談支援室」があります。
高齢化や、中規模大規模病院の待ち時間の解消などを目的に、日常の軽症な症状については身近なクリニックを受診してもらい、大きな病気が見つかった時には手術などの専門的な治療ができる医師に受診をするという医療機関の役割分担が進んでいます。患者さんやご家族が地域連携室を直接利用するという機会は少ないですが、地域のクリニックと病院の連携により患者さんがよりスムーズに受診や入院ができるよう調整を行なっています。
大きな病気が見つかって病院に受診や入院をすることは生活において大きな出来事です。その時の年齢によって、学生は治療と学業、働く世代は治療と仕事、高齢者は治療と介護など、治療の不安や心配だけでなくどのように両立していくのか、そして生活費、収入の確保や医療費の捻出など、さまざまなことを考えていかなくてはなりません。相談支援室には社会福祉士の資格を取得した相談員やがん相談の研修を受けた看護師が配置されています。病院に勤める社会福祉士のことを医療ソーシャルワーカー(MSW)と言います。MSWは、医療機関に勤める福祉職です。少しでも不安を解消し治療に専念できるようサポートするのが「相談支援室」の役割です。医療費に関しては高額療養費という仕組みがあり、その方の収入によってひと月の医療費の上限額が異なります。これを知るだけでも医療費の目安を知ることができるようになります。これは1つの例ですが、MSWは福祉の制度や仕組みを伝えるだけではなく、病院内外のさまざまな専門職種につなぐことを通して、より良い選択肢や解決策を一緒に考える役割を担っています。
(ハコラク 2019年6月号掲載)
国立病院機構 函館病院
函館市川原町18‐16 ☎0138‐51‐6281(代)
http://hnh-hosp.jp/
■診療科目/循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、外科、消化器外科、
呼吸器外科、心臓血管外科、乳腺外科、泌尿器科、皮膚科、
放射線科、病理診断科、歯科口腔外科、リハビリテーション科、
婦人科、眼科
■外来受付時間/月~金8:30~11:30、13:00~15:30
土(外科・消化器科)9:00~12:00、13:00~16:30 ※科によっては休診の場合があるので確認を
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