うつ病は自己判断せずに
4月は季節の変わり目でもあり、環境の変化の大きい季節です。この時期は変化に対応できず体調を崩される人も多いです。現在コロナ禍でもあり、感染の状況に応じて、突如さまざまな環境の変化が生じるため、季節に関係なく体調を崩される人が、クリニックの診察室でもしばしば見られています。 体調の悪化が一時的なものであれば良いのですが、なかなか体調が改善せず「一日中気分が落ち込んでいる」「何をしても楽しめない」といった精神症状だけでなく、「眠れない」「食欲がない」「疲れやすい」といった身体症状が現れます。それが2週間以上持続し、日常生活に大きな支障が出ている場合は、うつ病の可能性があります。
うつ病になると、物事の捉え方が否定的になり、「自分はダメな人間だ」と感じ、自分を責めたり、イライラしたりして集中力が低下し、仕事でもミスが多くなるなどさまざまな支障が出ることがあります。発症の原因は今のところ不明ですが、さまざまな要因が絡み合っていると考えられ、生活上のストレスやその人の性格傾向、脳内の神経伝達物質のバランスの崩れなども関連するようです。決して珍しい病気ではなく、日本人では100人に約6人が生涯のうちに、うつ病を経験するという調査結果もあります。
うつ病の治療に関しては主に3つあります。1つ目は「休養」でうつ病の患者さんは心身のエネルギーが少なくなっているので、エネルギーを充填するために、とても重要な治療です。2つ目は「薬物療法」で、症状を改善し再発を予防するため抗うつ薬を使います。3つ目は「精神療法」で、患者さんとの対話を重ね問題解決の方法を一緒に考えて探す治療で、主に軽症の人を対象としています。 うつ病の症状に心当たりがいくつかあれば、自己判断をせずに、無理をせず近くの心療内科や精神科の医師といった専門家に相談されることをおすすめいたします。
(ハコラク 2022年5月号掲載)
略歴
平成15年、北海道大学医学部卒業後、同大学病院精神科で初期研修し、八雲総合病院、倶知安厚生病院、国立花巻病院、函館渡辺病院で精神科医師として勤務。令和3年、桜町メンタルクリニック開院。日本精神神経学会精神科専門医。
桜町メンタルクリニック
七飯町桜町1‐3‐41
☎0138‐83‐6623
https://sakuramachi-mc.jp/
■診療科目/精神科、心療内科
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