創業149年の伝統の味を姉弟で受け継ぎ守り抜く
建物の佇まいと壁一面に飾られた和菓子の木型や焼き印が、店の歴史を物語る「なか川菓子舗」。1872年に宝来町で創業し、1934年の函館大火後、八幡町に移転。大福などの餅菓子や亀田八幡宮例大祭に出店し名物となった「八幡饅頭」をはじめ、かつては煎餅や洋菓子も手掛けていた。近年は亀田八幡宮での販売や注文時のみの営業だったが、「なか川の歴史を途切れさせたくない」と創業者の玄孫・川﨑富貴子さんが6代目継承を決意。子供の頃から共に店を手伝ってきた弟の仲川昇さんと力を合わせ、昨年から店頭販売も再開した。
米の甘味豊かなこの店の餅は、代々受け継ぐ石臼突き。素材の味が濃厚な「草大福」や春限定の「桜餅」など、伝統の製法を守り、昔と変わらぬ味にこだわる。来店客と思い出話に花が咲き、「おいしい」という声が届くと、「苦労も全て忘れてしまう。これからも愛されるよう頑張りたい」と人々を笑顔にする菓子作りに邁進している。
(ハコラク 2021年4月号掲載)
なか川菓子舗
函館市八幡町17‐20
☎0138‐41‐8054
9:00~17:30
※商品が無くなり次第終了
(毎月1・15日の4:00~10:30頃は亀田八幡宮で販売)
日曜、祝日定休(事前予約で定休日も営業可能)