熟練の技で仕上げる薄衣の天ぷらを肴に
晩酌を楽しむ
函館市大門地区がにぎわいを見せていた昭和後期に暖簾を掲げた「天ぷら えびきゅう」。店を切り盛りする小山内孝店主は、札幌市にある天ぷらの名店「蛯天」での修業を経て1983年に店を引き継いだ。丁寧に手入れされ、古き良き佇まいを見せる店内は、落ち着いた雰囲気。静かに杯を傾ける1人客や会話に花を咲かせる仲間連れなど、気心の知れた常連客がゆっくりと晩酌を楽しんでいる。
メニューは市内の市場に足を運び、直接目利きした地場魚介の刺身盛り合わせや鶏唐揚げ、旬野菜のサラダなどの定番をはじめ、だし巻き玉子など黒板に書き出されるその日の一品料理が揃う。看板メニューの「天ぷら盛り合わせ」は、大豆油に香り付けのゴマ油を配合した揚げ油で、衣も薄くサクッと仕上げる。プリッとしたエビ、甘みを蓄えた季節の野菜、やわらかなアナゴなどを自家製つゆにつけて頬張れば、ビールや焼酎も進む。小山内店主は「体が動く限り、店を続けていきたい」と、飾らず自然体で仕事を積み重ね、自慢の味を提供している。
(ハコラク 2024年8月号掲載)
天ぷら えびきゅう
函館市松風町8‐14
☎0138‐22‐5234
17:30~21:00
日曜定休
(月曜が祝日の場合は日・月曜休み)
喫煙可 P有り