父から受け継ぐ味と素材を生かす製法を礎に
ヨモギを使う新たな菓子も
「いなふね菓子舗」は、江差町や東京都の和菓子店で修業した稲船雄平さんが、弟と和洋菓子店として創業。1976年頃に和菓子専門店になり、季節の菓子や餅菓子、五稜郭をかたどる白あん入りの焼き菓子「五稜の里」など、多彩な商品を揃えてきた。現在は埼玉県の製菓会社の和菓子部門で修業し、90年から父である先代に技を学んだ2代目の一雄さんが、ベテランスタッフと店を守っている。
昔ながらの手動の機械でつく餅を使う2種類の「べこもち」、十勝産小豆の風味が際立つ自家製あんを薄皮に包み、せいろで蒸し上げる「いなかまんじゅう」、甘い香りが鼻腔をくすぐるふわふわの「ムシパン」…。余計なものは入れず素材の味を生かす菓子の中でも、道産や東北産の香り高いヨモギを使う商品が人気で、洋菓子風の「よもぎまふぃん」は、北海道菓子工業組合青年部に所属する一雄さんが同世代の職人に刺激を受け考案。もっちりとした食感とヨモギの自然な風味が楽しめる看板商品の一つとなった。「受け継ぐ味を守りつつ、常に原料や製法を見直したい」と、たゆまぬ努力で味を磨き続けている。
(ハコラク 2024年9月号掲載)
いなふね菓子舗
函館市花園町37‐34
☎0138‐51‐5313
9:00~18:30
日曜定休
キャッシュレス決済利用可