地域で働く人に愛され73年
手頃な価格のそばセットで心もお腹もいっぱいに
電車通りに年季の入った看板を掲げる「そば処かねき」。かつて現店舗の近くにあったそば店「かねき」の閉店を受け、初代・髙尾チヱさんが1951年に店名と職人を引き継いだのが始まりで、86年「有限会社松柏堂」に改組。喫茶店やプレイガイドも営む松柏堂の一翼として、一時は「かねき」の名で独立したそば店が市内にいくつかあった。長年店を構えた区画で市街地再開発事業が始まり、現在は2002年に竣工したアクロス十字街ビルで営業。創業者の娘婿の髙尾喬店主と娘の由香さんが、スタッフと共に切り盛りする。
毎朝6時に製麺を始め、そばつゆを仕込むと店内にカツオとサバダシの香りが漂う。そば、うどん、ラーメン、ソーメンから選べる麺類と丼物をほぼ単品サイズのまま組み合わせできるセット(680円~)が人気で、そばつゆとショウガで味付ける鶏モモの天ぷらが5つ乗る「とり天丼」やエビ3本が付く「天丼」とかけそばをすすれば満腹になること間違いなし。「手頃におなかいっぱい食べてほしい」という髙尾店主の思いに応えるように、今日も地域の人の「ごちそうさま」が響いている。
(ハコラク 2024年11月号掲載)
そば処 かねき
函館市末広町5‐13 アクロス十字街1F
☎0138‐22‐5223
11:00~14:00
日曜・祝日、第2土曜定休
禁煙 P有り