来店客に支えられ62年
親から子に受け継がれる昔と変わらぬ味と思い
「そば処江戸八」は、東京出身の室谷貴一さんが、函館市内で勤めていたそば店から独立し宮前町で創業。1971年、万代町に移転し、現在は先代と店を立ち上げた妻のイトさんと息子の貴志さんを中心に営み、毎朝製麺する生そばやカツオとサバ節から取るダシ、丸鶏からスープを仕込むラーメンまで、変わらぬ味を守っている。
「かつ丼と小丼もり」(1000円)の注文が入ると、大鍋でそばを茹でながらトンカツを卵でとじ、手際よく提供。かつ丼は、新鮮な生肉と細やかなパン粉で揚げるカツがやわらかく食べ応えがあり、衣に染みるダシとかえしにタマネギの甘みが加わり、「函館で一番おいしい」と語るファンがいるのもうなずける。職人気質だった父から仕事を学び、心地よく過ごせるよう忙しい時も客への声かけを欠かさない母の姿を見てきた貴志さんは、「そばづくりや人との会話が楽しく、お客様に支えられ続けてこられた。自分の代で店を潰してしまわないよう生涯をかけてやりきりたい」と、長年にわたり築かれた味と思いを大切に受け継いでいる。
(ハコラク 2024年7月号掲載)
そば処 江戸八
函館市万代町7‐29
☎0138‐41‐7664
10:30~19:00L.O
日・第3土曜定休
禁煙
P有り(5台)
キャッシュレス決済利用可