夫婦二人三脚で52年
学生を支えた喫茶店は地域に愛される場所に
神奈川県横浜市の喫茶店で経験を積んだマスターが、故郷で立ち上げた「軽食喫茶パゴ」は、夫婦で切り盛りして53年目。近隣に学校施設が集まる土地柄、創業当初は多くの学生でにぎわい、1980年頃から店舗裏の別棟で下宿も運営。一時は20人が暮らしていたが少子化に伴い閉業、現在は「ライダーハウスパゴパゴ」に形を変え、喫茶店と共に営業を続けている。
喫茶メニューの1番人気は、薄衣でサクッと揚げる約180gの厚切りトンカツが乗る「カツカレー」(1000円)。さっぱりシャキシャキ食感の自家製ピクルスを添えたサラダ付きで、かつて学生たちのお腹を満たしてきたボリュームは時代が変わっても健在だが、野菜がトロトロに溶け込み程よくスパイスが利いたルウを頬張るとスプーンが止まらず、常連客の「ここの料理はなんでもうまいよ」という言葉に納得。函館高専の教師から引き継ぎ店で毎月開催してきた「童謡の会」も12月で208回目を迎える。「50年以上通うお客様もいて、もう家族みたいなもの」とマスター夫妻。二人三脚で築いた喫茶店が地域の人にとって欠かせない場所になっている。
(ハコラク 2025年1月号掲載)
軽食喫茶 パゴ
函館市上野町36‐21
☎0138‐59‐3698
10:00~20:00
日曜定休 禁煙
※ライダーハウスは冬季休業中