〝なかむらさん家〟の味で次世代にも漬物文化を伝えたい
道南や青森県で古くから親しまれる枝豆の漬物「豆漬」や旬の地場産で仕込む「赤かぶ糠漬」。中島廉売仲通り商店街でずらりと商品を並べる「中村商店」は、創業54年を数える漬物専門店。大阪府の漬物店で修業した先代・中村登年さんが、古漬けが主流だった函館に浅漬けを届けようと一念発起したのが始まりで、野菜本来の味を生かす漬物は、市内の飲食店でも広く使われる食卓に欠かせない一品となった。
小学生の頃から店を手伝い、舌で味を覚えてきた長男の登さんが2代目として店を継いだのは24年前。白菜の甘味を感じるさっぱりとした和風キムチ「朝鮮漬」をはじめ、昔ながらの味を守りつつ、土曜日限定で韓国風キムチを仕込み味の違いを伝えるなど、妻・博子さんと二人三脚で新たな挑戦も重ねてきた。「初めて漬物を試食した子供が親に買ってとせがむ姿を見るとうれしく、伸びしろを感じる。漬物文化を伝えていきたい」と、店頭では常に客の声に耳を傾け、〝なかむらさん家の味〟を進化させている。
(ハコラク 2020年8月号掲載)
中村商店
函館市中島町21‐10 中島廉売内
☎0138‐51‐7378
10:00~18:00
日曜定休 P有り