受け継ぐ味を守りながらおいしさを
追及するそばで時代の荒波を乗り越える
函館市美原の産業道路沿いで45年以上暖簾を掲げている「そば処松ふみ」は、1961年、松川町で「そば処松文」の名で創業。後に〝まつふみ〟へと今に続く店名に読み方を改め、現在は創業者の長男が2代目店主となり、母と姉とともに店を切り盛りしている。
ふんわりと卵でとじたかつの皿盛りと、そば、ご飯、日替わりの突き出しが味わえる「かつセット」、しっかりとダシを利かせた「カレーそば」、揚げたてのエビ天が汁に深みを加える「天ぷらそば」。2代目店主は、先代が築いた定番のメニューを礎にさらに味を磨き、その年のそば粉のコンデションや日々の気温、湿度に合わせて製麺や茹で加減を工夫。味の要であるダシを丁寧に引き、口にした時の全体のバランスを考え提供するそばは、店内はもちろん持ち帰りの生そばでも人気。厳選した原料で仕込むかえしは、家でしょう油代わりに使いたいと定期的に購入するファンもいる。「お客様あっての松ふみ」と、時代に合わせコツコツと積み重ねたこだわりが老舗の味を支えている。
(ハコラク 2024年3月号掲載)
そば処 松ふみ
函館市美原2‐7‐20
☎0138‐47‐0061
11:00~16:00
火曜定休
禁煙 P有り