変形性股関節症ってご存じですか?
変形性股関節症とは、股関節を構成する骨や軟骨が変形する進行性の病気です。初期症状としては、歩き始めや立ち上がりの際に足の付け根の痛みを感じるようになります。変形が進行すると痛みは強くなり、場合によっては持続的な痛みや夜間の痛みに悩まされ、生活の質が低下するとされています。
変形性股関節症は加齢が原因になるものと、乳幼児期の股関節脱臼など骨の発育不全が原因になるものがあり、男女比では女性に多いと報告されています。初期はストレッチや筋力訓練などの運動療法、体重の減量、状況に応じて薬を使うなど保存的治療から開始しますが、痛みがひどくなると人工股関節置換術などといった手術的治療も必要となります。
治療選択については医師と相談の上で進めていくこととなりますが、重要なことは、症状に気付いたらできるだけ早期に医療機関を受診し対処すること、可能な限り身体を動かすように意識することです。早期に症状に気付き、適切な対処ができれば痛みを和らげ、症状の進行を遅らせることができるとも言われています。その一つとして、リハビリテーション専門職による運動療法が挙げられます。運動は痛みのない範囲で無理なく継続して行うことが重要であり、ジャンプを伴うような無理な運動はかえって変形を進行させる危険性があるため、避けるべきと言われています。簡単にできる運動として、プールなどの水中を歩く「水中ウォーキング」がおすすめです。水の浮力で股関節への負荷が小さくなるだけでなく、水圧により筋肉への適度な負荷もかかるため、心肺機能と筋力の両方を鍛えられるという、特にこの季節においてはメリットの多い運動と言えます。
足の付け根に痛みがある方や股関節に不安がある方、適切な運動を知りたい方は、まずお近くの医療機関にご相談ください。一緒に運動について考えていきましょう。
(ハコラク 2023年4月号掲載)
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