逆流性食道炎とは?
食後にちょっとひと休みと横になったときや、前かがみの姿勢になったとき、酸っぱいものが上がってくる、何となくジリジリと胸やけがする、最近やたらとゲップが出る…などの症状が起きることはありませんか?これらの症状は胃液(胃酸)が食道へ逆流するために起こるもので「逆流性食道炎」という病気の可能性があります。逆流性食道炎とは、胃と食道の境目にある括約筋がさまざまな理由で緩んでしまうことによって胃から食道へと胃酸が逆流し、食道の粘膜にただれが起こる病気です。
最近は食生活の欧米化に伴い、高脂肪食の大量摂取などが原因で日本人にも逆流性食道炎が増加してきています。胃酸の逆流を防ぐには、食べ過ぎ・飲み過ぎをしないようにし、特に脂っこい食べ物(フライ・天ぷら)や甘い物(ケーキ・チョコレート・あんこ)、刺激の強い物(香辛料、アルコール、コーヒー、タバコ)などを控えるようにしましょう。また、お腹を圧迫しないようにベルト・コルセットなどは緩めにして、あまり前かがみの姿勢にならないこと、食後2時間は横にならないで、眠るときは少し上半身を起こすようにするなどを心掛けてみましょう。以上の対処法でもなかなか症状が改善しない場合には、一度医師の診察を受けられることをおすすめします。
問診の結果で、逆流性食道炎が疑わしい場合には、内視鏡検査で食道粘膜のただれの程度を確認し、まずは2カ月間、胃酸分泌を抑える治療薬を内服して経過をみることになります。長年、逆流性食道炎の状態を我慢して放っておくことで、食道粘膜のただれが変化して、まれではありますが、食道腺がんが発生することも分かっています。今は患者さんの苦痛が少ない鼻からの経鼻内視鏡検査もあり、昔に比べると胃内視鏡検査もだいぶ楽になってきています。検査に抵抗のある方も、まずは症状のご相談だけでも受診してみて下さい。
(ハコラク 2022年12月号掲載)
みどりの森さとう内科・こどもクリニック
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