「ゴールドとセラミックの違い」ご存じですか?
毎日しっかりと磨いているはずなのに、不幸にも虫歯になり被せ物をしなければならないという経験をしている方も多いと思います。今回は被せ物の素材、ゴールドとセラミックについて解説したいと思います。ゴールドはご存じのように、見た目(審美性)に優れる素材ではありません。見た目の問題で最も欠点となるところとして〝おじいちゃんが入れる素材〟という感覚を持っている人も多いのではないでしょうか?
でも実は、ゴールドは補綴治療においては、非常に優れた素材であると言えます。ゴールドは、さびにくく強度が高いので、かむ力の強い方、歯ぎしりをする方に合います。また、力のかかりやすい奥歯に最適で歯との適合性が良いため、治療後に虫歯になりにくいという点もメリットとして挙げられます。長年に渡って使用されてきた実績を持つ素材であることからも、信頼できる素材と言えます。ゴールドは人間の歯よりもやや柔らかく、人間の歯は年齢とともに少しずつすり減っていきますが、ゴールドも同じように少しずつ減ってくれます。自分の歯と同じように少しずつ変化してくれるので非常に長持ちする素材であり、一説では〝生涯修復である〟と言われます。
多くの方が安心して選ぶ〝セラミック〟は、経年劣化が少なく、従来の歯のようなツヤがあり美しさや色合いを持続しやすいため、長期に渡り使用し続けることができ、治療したことが分からないぐらい自然な仕上がりになります。また、表面がツルツルしていてプラークが付きにくいというメリットがあります。しかし、強い力が加わると破折する、かみ合わせの調整をときどき行わないといけないというデメリットもあります。
審美性のセラミックと、粘り強いゴールド。皆様のご希望・お口の中の状態に合わせて、素材が持つメリット・デメリットを考慮し、適材適所で使い分けすることが、お口の健康の永続性という観点で非常に大事なことだと思います。
(ハコラク 2022年9月号掲載)
略歴
平成16年、岩手医科大学を卒業。平成18年、同大学口腔顎顔面再建学講座入局。平成19年、同大学大学院に入学し、平成23年に卒業。道内外の歯科勤務を経て平成28年、シュンデンタルクリニック開院。岩手医科大学非常勤講師。歯学博士。
シュンデンタルクリニック
函館市石川町461-38
☎0138-47-3737
http://shundc.jp
■診療科目/歯科、歯科口腔外科、小児歯科、矯正歯科
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