子どもが泣いている時は
なかなか泣き止まないことを心配されて来院する方がいます。風邪の始まりで具合が悪い、便秘でお腹が痛い、耳が痛いなどを泣いて訴えていることがあります。そこで、熱の経過や食欲、活気などのお話を聴き、全身を丁寧に診察します。小さい子どもは、自分で症状を訴えることができないので、「泣くこと」は何かの病気のサインのことがあります。ただ、小児科医にとっては、激しく泣いている時よりも、「泣くべき時に泣かない!」ことの方が重大です。泣いている子は、まだ泣いて訴えられるだけの元気があるとも見ることができます。肺炎や、強い脱水状態、脳炎などの重篤な病気の時には、ぐったりして、泣き方が弱くなります。 生まれたての赤ちゃんは、自分では何もできません。とにかく泣くことによって不快を示し、大人からの援助・介護を得ています。「お腹が空いた!」「おむつが濡れてる!」「寒いよ!」というように。親が、赤ちゃんからの信号をしっかりと受け止め対応することで、赤ちゃんは外の世界への信頼を育んでいきます。泣いて親の手を煩わせることこそが赤ちゃんらしさとも言えます。
夜泣きがなかなかおさまらない赤ちゃんもいます。5~6カ月を過ぎる頃から「感情」が分化してきて、不安や恐れなども感じることができるようになってきます。夜泣きはその現れです。
中途半端な覚醒が夜泣きにつながることがあります。背中をとんとんしたり、抱っこしたり、おっぱいを飲ませたりすることによって、かえって眠りが浅くなり、夜泣きが続くこともあります。少しくらい泣いてもそっとしておくと、夜泣きが無くなることがあります。ひどく泣く時や、夜泣きが長引く時は、一度電気をつけてしっかり起こしてあげます。時には、お薬を使うことが必要なこともあります。
「泣くこと」が心配な時は、ためらわずに小児科医に相談してください。
(ハコラク 2022年9月号掲載)
略歴
昭和59年、北海道大学医学部卒業。同年4月から北海道勤医協札幌病院に8年間勤務後、静岡てんかん・神経医療センター小児科、道南勤医協稜北病院小児科医長を経て、平成21年9月、はるこどもクリニックを開院。平成23年12月病児保育所はるっこ開設。日本小児科学会小児科専門医、日本小児神経学会小児神経専門医。著書に「いいとこ探しののびのび子育て」あり。
はるこどもクリニック
病児保育所はるっこ(はるこどもクリニック併設)
七飯町本町6-7-42
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