みずむしをしっかり治すには
夏は「みずむし」で皮膚科に来院される方が多くいらっしゃいます。みずむしの原因は白癬菌というカビの一種であり高温・多湿の夏はみずむしが悪化しやすいのです。
足に菌が付着して約1日経つと皮膚の中に入り感染します。そうなると「皮が剥ける」「足の指の間がジクジクする」「かゆくなる」「爪が変色する」などの症状が出ます。みずむしかどうかは皮膚科で顕微鏡検査を行うと数分で結果が出ます。
もし、みずむしにかかってしまったら、しっかり治すためにお薬を足全体に最低でも1カ月間塗ることが必要です。かゆみのあるところや皮がむけているところに菌がいると思うかも知れませんが、症状の無いところにも菌はいます。時折、1週間位お薬を塗っていたら良くなったように見えることがありますが、その時点では菌は全滅していないので塗り続けることが大切です。
手や股、顔や体にも白癬菌がつくことがあります。これらは湿疹に見えることがありますが、湿疹用のお薬の多くは菌を勢いづけてしまい、お薬を塗り続けていたら悪化してしまいます。逆に、足に症状があるため水虫用のお薬を塗っているが良くならないと皮膚科に来られる方もいます。汗疱や掌蹠膿疱症などみずむしに似た皮膚病もあり、当然みずむしのお薬は効きません。いずれの場合も皮膚科で検査をすれば正しい診断がつき、適切な治療を行えます。
多くの方が裸足で利用する温泉やスポーツジムの床やマットには白癬菌がいると思った方が良いでしょう。菌が付着しても1日経たないと皮膚の中には入りませんので、利用した後は付着した(かも知れない)菌をお家で洗い流すと良いでしょう。
さらにご家族にみずむしの方がいるとバスマットやトイレのスリッパなど共同で使うものからうつってしまうこともあります。
その場合はご家族皆さんが治療されることをおすすめします。
(ハコラク 2022年8月号掲載)
略歴
愛媛大学医学部医学科卒業。同大学医学部附属病院、東邦大学医学部附属大森病院、昭和皮膚科クリニックなどの勤務を経て、平成18年3月、みなとまち皮膚科菊地医院開院。日本皮膚科学会皮膚科専門医。
みなとまち皮膚科菊地医院
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