飛蚊症、光視症とは
突然、糸くずや虫のような黒い影が飛んで見えるようになり、あっちを見てもこっちを見てもついてくるような感じがして、全然見えなくなったわけではないのに、物を見ようとするとそれらの黒い影が邪魔をして物が見えにくくなったように感じたり、時々暗いところでピカッと稲妻が光ったように見えたりと、こういった症状を自覚したことはありませんか?
これらは「飛蚊症」や「光視症」と言われる症状です。飛蚊症の見え方は人それぞれ違っており、眼球の内部にシミやしわができることで、突然、糸くずや虫のようなものが浮かんで見え始めることが多く、色も黒だけではなく白や透明であることもあり、見える形や大きさ、数も人によってさまざまです。眼球の中心部分には「硝子体」と言われる透明なゼリーのようなものが詰まっており、これらが加齢とともに変性・収縮し、シミやしわができます。変性・収縮する原因は加齢だけではなく、近視が強いことや外傷の既往があることも関係していると言われています。もともと硝子体は眼球内面の網膜に付着していますが、収縮することによって眼球内面から離れる際に、キラキラと光を感じたり、墨をまいたようなものが見えたりすることもあります。
飛蚊症などの症状は加齢性の変化により生じてくるものが多く、放っておいても大丈夫なものもあれば、まれに眼底出血や炎症、網膜に穴が開くことなどでも見えることがあり、その場合は徐々に悪化し、視力低下をきたすこともあります。これらの良し悪しは実際に診察を受けてみなければ分からず、自分では判断できません。また、加齢性の変化だったとしても、飛蚊症が全くなくなることはありません。気にならなくなることはあっても忘れた頃にまた出てくることがほとんどです。
「虫のような黒い影が飛んで見える」などの症状で気になる方は、一度、眼科医にご相談ください。
(ハコラク 2022年6月号掲載)
略歴
平成15年、山形大学医学部卒業。同年同大医学部眼科学教室へ入局。山形県立中央病院、公立置賜総合病院、函館市内の眼科などの勤務を経て、令和元年10月、はこだて港町眼科を開院。日本眼科学会眼科専門医。
はこだて港町眼科
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