てんかんについて
みなさんは「てんかん」と聞いてどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。子供の病気、先天性の病気、遺伝性のものと思われているのではないでしょうか。また、人によっては精神疾患といったイメージを持っているかもしれません。
近年、脳の機能やてんかんという病気について色々な事が分かってきました。
現在において「てんかん」は、脳の慢性疾患で脳の神経細胞に突然発生する激しい電気的な興奮により繰り返す発作を特徴とし、それにさまざまな臨床症状や検査での異常が伴う病気と定義され、脳のダメージによって起こる、器質的な病気であることが分かっています。
また、てんかんは脳卒中や頭の外傷が原因となり、成人でも発症することがある病気です。今では約100人に1人が発症するとも言われており、特に高齢者のてんかん患者の増加が問題となっております。
症状についても「全身をガクガク震わせる」といったイメージが強いと思いますが、「声をかけても反応がない、一点を見つめて固まっている」など、一見認知症と間違うような、分かりにくい発作がみられることもあります。
治療については、一般的な内服治療で発作が治る人も多いですが、内服をしても発作が治まらない方、薬による副作用で内服の継続が難しい方、精神的な不調が現れてしまう方など、さまざまな問題を抱えている患者さんもいらっしゃいます。そのような患者さんには、内服の調整、てんかん分類の再考、また、手術での治療ができないかどうかなどを考えていく必要があります。
そのような一般的な診療では難しいてんかん診療に対応するべく、日本てんかん学会ではてんかん専門医の認定を行っています。てんかんかもしれないと思われた方、てんかんの治療でお困りの患者さんは、一度てんかん専門医のいる施設への受診を考えてみてはいかがでしょうか。
(ハコラク 2022年 3月号掲載)
略歴
平成21年、札幌医科大学医学部卒業後、同大附属病院、道立子ども総合医療・療育センター、函館新都市病院、京都大学附属病院、王子総合病院を経て、令和1年7月から市立函館病院脳神経外科勤務。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医。
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