コロナ第4波と小児の感染について
今年3月以降、新型コロナウイルス感染者は感染力の強い英国型変異株感染が拡大する「第4波」として、全国で急増しています。これまで子供は大人に比べて感染しにくいとされてきましたが、最近は学校や児童施設関連のクラスターも見られています。従来株が主流だった第3波(昨年10月~2月)では、感染者のうち10歳未満は2.7%、10代は7.3%で約1割でした。しかし、第4波の変異株感染者では10歳未満が6%、10代は12・9%で合わせて18・9%に達します。
すでに函館市でも始まっている新型コロナワクチン接種対象は16歳以上となっており、現時点では16歳未満のワクチン接種は臨床試験のデータが少なく、安全性や大人と同等の効果が得られるか分かっていないため、小児は接種対象外となっています。従来株に比べ変異株は全年齢で広がりやすいと考えて、基本のマスク着用、手洗い、うがい、換気、消毒などの予防を再度徹底するしかありません。とはいえ、幼いお子さんではマスクを付けられず、うがいもまだできず、あちこち走り回って触り、感染対策をとるのはとても難しいですね。日々不安を感じながら、自粛生活を続けられている親御さんも多いと思います。小さなお子さんは、外出自粛や三密(密集・密閉・密接)を避けるなどを心掛けましょう。また、10歳未満の小児の患者さんの感染ルートは家族内感染や集団感染からがほとんどとの報告もあります。まずは保護者の方が感染しないことに重きを置くことが大切です。
目に見えないウイルスとの闘いはどれだけやっても不十分ではないか?安心できない!という気持ちになりがちです。今、私達にできることは、正しい知識を持って実行可能な対策を行うこと以外にありません。子供はなかなか思うように感染予防行動をとってくれず焦ることもあるかもしれませんが、根気強く一つずつできることを増やす心構えで、親子で頑張りましょう!
(ハコラク 2021年7月号掲載)
略歴
平成14年、岩手医科大学医学部卒業、同年4月、北海道大学医学部第三内科入局。市立札幌病院消化器科、NTT東日本札幌病院消化器科、函館中央病院内科勤務などを経て、平成18年11月より佐藤内科小児科医院勤務。平成28年7月より同院副院長となり、現在に至る。
佐藤内科小児科医院
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呼吸器科、糖尿病内分泌代謝科
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