顎関節症になぜなるの
顎を動かすと痛かったり、「カクカク」「ジャリジャリ」音がしたり、引っかかって口が開けづらかったり、途中までしか開かなくなったり。顎関節症を発症すると、不快で口の機能に大きな支障を来します。なぜ顎関節症になるのでしょう。
顎関節症の原因はいろいろ考えられていますが、単一ではなく複数のものが重なって、その個人の持つ耐久力を超えた時に発症します。顎関節や咀嚼筋の構造的な強さにも個人差があります。不良なかみ合わせや打撲などの外傷で外力が掛かったり、また、ストレスによっても筋緊張のため負担が増加します。個人の行動による要因もあり、これはある程度コントロール可能なものもあります。発症を予防したり発症後に改善させるには、これらを意識することが重要になります。
原因を列挙していきます。硬い物やガムのかみ過ぎ、片側かみ、歯ぎしり、高い枕、就寝時の姿勢、歯を接触させるくせ、頬づえ、スマホの使い過ぎ、下顎を出すくせ、爪や鉛筆をかむくせ、うつ伏せでの読書、コンタクトスポーツ、スキューバダイビング、顎を圧迫する楽器の演奏、カラオケでの歌い過ぎ、緊張する仕事、コンピュータ作業、重量物の運搬など。どうでしょうか、自分にもあてはまるものがいくつかあるのではないでしょうか。日常生活でこれらを意識して頻度や程度を減らすことで、自分の耐久力の限界内に留めておくことが出来るかもしれません。
中でもなかなか自分で気付かないものは歯を接触させるくせだと思います。何かに集中している時、ふと上下の歯が接触していないか確認してみてください。くいしばりでなく弱い力での歯の接触の持続でも思いのほか筋肉が緊張し筋疲労や筋痛を起こします。また顎関節が圧迫され血流が阻害されることで関節内の摩擦が増え、痛みが出現することがあります。気付くことが重要です。
(ハコラク 2021年2月号掲載)
略歴
昭和59年、函館中部高校卒。平成2年に北海道大学歯学部を卒業後、札幌市内の歯科を経て、平成17年から吉田歯科口腔外科に勤務。
吉田歯科口腔外科
函館市湯川町1-30-8
☎0138-59-3918
https://www.ydos.com
■診療科目/歯科、口腔外科、小児歯科
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