ライフスタイルに合った糖尿病治療を
糖尿病があると何が悪いのか、よく患者様からご質問を受けます。糖尿病とは血糖値が高くなる病気です。血糖値が変動する幅が大きい事で、血管、神経、臓器が痛みます。それらが10年ぐらいの単位で少しずつ体を病ませます。糖尿病は体、心、全ての病気になる可能性があります。がん、心の病気、虫歯、水虫など糖尿病からはイメージしにくいと思いますがそれらの病気と関係があります。糖尿病を治療することで多くの病気も良くなります。
今までの糖尿病治療は、血糖値を改善させ合併症の発症、進行の阻止という事に重点を置かれていましたが、現在は、それらに加え健康な人と変わらない状態、人生にまで回復する事を目標にすることが可能となっております。2009年にインクレチン製剤としてDPP4阻害薬の登場により、糖尿病治療は大きく進歩しました。この薬は低血糖のリスクが少なく、そして体重増加も来さない特徴があり、多くの患者様に使用されるようになり、血糖コントロールが大幅にしやすくなりました。また、2014年にはSGLT2阻害薬という薬が登場しました。血糖コントロールは元より、心臓、腎臓、血管などを守る作用があり、健康な人と同じ状態に回復することも可能になりました。現在の治療は、血糖値を改善させるとともに、患者様のライフスタイルに合った治療を行うことができる時代になっております。これからの10年も糖尿病治療は大きく進歩すると言われており、その一つとしてiPS細胞による膵臓の再生医療が登場することが予想されています。また、血糖値を知ることに関しても、毎回針を刺さなくても分かる機器が発売されるとのことです。
現在社会では、誰しも糖尿病になる可能性があります。そして糖尿病になったとしても、楽しく明るい生活を送る事が大事だと思います。糖尿病はなるべく早期に診断して、医療機関で治療を受けることが大切です。
(ハコラク 2020年9月号掲載)
略歴
平成12年、川崎医科大学卒業後、山口大学医学部第三内科入局。河北総合病院内科、国立国際医療研究センター、東京大学医学部附属病院などの勤務を経て、令和2年、たかさわ糖尿病内科クリニックを開業。日本糖尿病学会糖尿病専門医。
たかさわ糖尿病内科クリニック
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