頭痛は奥が深い?
頭痛治療は、国際頭痛学会により2004年以降「国際頭痛分類」が随時修正されていましたが、14年10月に日本頭痛学会で初めて右記分類最新版「ICHD-3β」を正式に翻訳・刊行し大きく進展しました。頭痛分類「ICHD-3」では、1~5桁の数字表記に万国共通化され、一般診察では1~2桁まで、専門外来診察では4~5桁までの診断分類分けがふさわしいと明記されました。「前兆(前触れ症状)の無い片頭痛」、「前兆のある片頭痛」は従来通りほぼ変化はありませんが、「慢性片頭痛」が前記二分類とは切り離されました。
片頭痛は発作が4~72時間持続し、ほぼ片側性でズキズキと反復する強弱があります。光過敏(パソコン画面を見るのがつらい)や音過敏(子供の声、上の階の足音がつらい)のような日常的な動作で頭痛が悪化することが特徴的です。チョコレートやナッツ類の摂取でも悪化しやすいです。片頭痛の有病率は女性は男性の約4倍で、男性は20~30歳代に、女性は30~40歳代にピークがあります。最近の日本人女性を対象にした調査では、月経時頭痛の約65%は片頭痛の可能性が高く「排卵日や月経の初日前後」が特に多いです。「緊張型頭痛」は両側性が多く、首の後ろにも痛みが及ぶこともあり、天候、体調でも痛みが変化しやすく、数時間から数日かけて悪化し持続する事が多いです。緊張型頭痛は前兆を伴わず、早朝および夕方によく生じ「寝つきが悪い、夜中に何回も目が覚めてしまう、早朝に目が覚めてしまう」などの睡眠障害が見受けられます。最近では吐き気をもよおすことも指摘されています。こちらも女性に多く、遺伝性は無いですが、家族単位でこの疾患が集中しているというデータも出ています。
主に飲み薬による治療がありますが、必要に応じ、筋緊張をリハビリで容易に緩和・改善する場合もあります。お悩みの場合はお近くの脳神経外科、頭痛専門外来でご相談なさってみてください。
(ハコラク 2020年7月号掲載)
略歴
平成18年、岩手医科大学医学部卒業。北海道大学付属病院、JA厚生連帯広厚生病院、旭川医科大学附属病院(麻酔・蘇生学講座)、JA厚生連遠軽厚生病院、函館五稜郭病院勤務を経て、平成26年8月より函館おおむら整形外科病院麻酔科に勤務。令和元年10月より院長に就任。
函館おおむら整形外科病院
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