心臓リハビリテーションの 重要性
皆さん「リハビリテーション」という単語はご存知かと思います。多くの場合は脳卒中や外傷後のトレーニングをイメージされるかと思いますが、心臓病でもリハビリテーションが重要であることがわかってきています。心臓リハビリテーションとは「心臓病の患者さんが、体力を回復し自信を取り戻し、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防止することを目指して行う総合的活動プログラム」のことであり、医師による治療や理学療法士による運動療法以外にも、看護師や薬剤師、栄養士など多職種による学習活動・生活指導・相談(カウンセリング)などを含む概念です。
心筋梗塞や心不全の患者さんに心臓リハビリテーションを行うことで、生存率が大幅に改善することがわかっています。心不全は重症になるほど運動耐容能(有酸素運動能力)が低下し、運動耐容能が低いほど生存率が悪くなります。運動耐容能の低下には心機能の低下だけではなく、全身の筋肉(骨格筋)の機能も大きく影響します。心臓リハビリテーションによって運動耐容能が改善すると、たとえ心機能が改善していなくても、生存率が改善します。心臓病の治療には、適切な運動療法による骨格筋機能の改善も非常に重要な役割を果たしているのです。
心臓リハビリテーションが注目されるようになったのは、ここ十数年の話であり、近年函館でも実施施設が増えてきております。保険適応となる病気が定められており、①急性心筋梗塞②狭心症③開心術後(冠動脈バイパス手術や弁膜症手術など)④経カテーテル大動脈弁置換術後⑤大血管疾患(大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管術後)⑥慢性心不全⑦末梢動脈閉塞性疾患(しばらく歩くと足が痛くなる「間欠性跛行」を呈する場合)が挙げられます。これらの病気をお持ちで、興味のある方はぜひ循環器内科の先生にお問い合わせ下さい。
(ハコラク 2019年11月号掲載)
略歴
平成22年、北海道大学医学部医学科を卒業し、平成31年には同大大学院医学研究科医学専攻博士課程を修了。旭川赤十字病院、北見赤十字病院、北海道大学病院などを経て、平成31年より亀田病院に着任。
亀田病院
函館市昭和1‐23‐11
☎0138‐40‐1500(代)
http://hakodate-kameda-hp.com
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