脳神経内科ってどんな科?
神経は脳や脊髄、末梢神経、筋肉、内臓組織などをつなぎ、情報を伝達する役目を果たしています。神経を働きによって分類しますと、意識を保ち記憶したり考えたりする脳、筋肉を動かす命令を伝える運動神経、痛覚や触覚などの感覚の情報を脳に伝える感覚神経、胃や腸、心臓・血管、肺、発汗組織など私たちが意識しなくても生命を維持するために働き続ける臓器を調節する自律神経に分けられます。これらの神経系に異常が起こった時に脳神経内科が担当します。
脳神経内科はどんな病気を診るのかよく分からないと言われることがあります。特に間違われやすいのが精神科と心療内科です。精神科は、うつ病やそう病、統合失調症といった気分の変化や精神的な問題を扱う科です。また、心療内科は心理的な原因によって体に異常をきたす病気を扱う科です。脳神経内科は精神的・心理的な問題ではなく、脳や脊髄、神経、筋肉に異常が起こり、体にさまざまな症状が出てくる病気を扱います。
脳神経内科で診察する症状としては、頭痛、めまい、しびれ・痛み、ものが二重に見える、手足や体に力が入らない、手足がふるえる、歩きにくい・ふらつく、むせる、しゃべりにくい、物忘れ、けいれん、失神・意識障害などたくさんあります。このような症状が出た時は、まず脳神経内科を受診していただきたいと思います。体の中のどこに病気があるかを見極めて、骨や関節の病気が疑われる場合は整形外科に、脳の手術が必要なときは脳神経外科に、精神的あるいは心理的な原因が考えられる時は精神科や心療内科にご紹介します。また、めまいやふらつきの場合は、眼科や耳鼻咽喉科の病気であることもあります。このように脳神経内科以外の科が関係することもありますが、まずは脳神経内科にかかっていただき、必要であればほかの科に紹介してもらうのが良いと思います。
(ハコラク 2019年10月号掲載)
略歴
昭和53年、北海道大学医学部医学科卒業後、同大医学部脳神経外科神経内科部門、北海道勤医協中央病院内科、国立療養所札幌南病院神経内科などを経て、平成31年、医療法人亀田病院副院長に就任。日本神経学会神経内科専門医。
亀田病院
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