痛みを悪化させないためには?
令和元年最初の連休はいかがでしたでしょうか? 畑仕事、庭仕事、スポーツにと、体を思いっきり動かした方も少なくないと思います。今時期は、普段以上の動きをしたことで、痛みが出てくる方の受診が多くなります。一言で「痛み」と言っても、危険信号の役割の「急性痛」、生活の質低下につながる邪魔な存在の「慢性痛」があります。
「急性痛」には、熱いやかんを触ったときに感じる痛みや、「ぎっくり腰」があります。「ぎっくり腰」は、いわゆる総称で、中には、「筋違い」や「椎間板ヘルニア」など多岐に及ぶ原因が隠れています。「ぎっくり腰」になった際、足の方までビリッと電気が走ったり、太ももに違和感が出たりと、一時だけでも症状が出た場合、腰の神経が椎間板ヘルニアなどで押されて症状につながっている可能性を考慮すべきです。その場合、整形外科で、MRI・脊髄造影CTで必要に応じて検査する事で、神経と周りの構造物との接触度合いから、治療方法を見出していく事が出来ます。 〝軽い〟「ぎっくり腰」は「筋違い」的なものです。治るまでにそれほど長い時間は掛からないことが多いですが、痛みは相当なものなので、数日寝込む方も中にはいらっしゃいます。
「慢性痛」で言いますと、腰の奥が痛いとの事で来院される方の中に、腰骨の周りの筋肉の過緊張状態が続き、慢性的な痛みにつながっている場合も少なくないです。この痛みは、筋肉の緊張を取る体操、必要な際は、痛み止めを内服することで、解消していく事が多いです。また、すり減った骨の痛みのような変形性腰椎症も考えられます。抱えている痛みが、危険信号なのか、違うのか。専門の病院を受診する事で、治療だけでなく適切な運動で予防し、生活の質改善へつながっていきますので、気軽に近くのペインクリニック、整形外科の先生に聞いてみてください。
(ハコラク 2019年6月号掲載)
略歴
平成18年、岩手医科大学医学部卒業。北海道大学付属病院、JA厚生連帯広厚生病院、旭川医科大学附属病院(麻酔・蘇生学講座)、JA厚生連遠軽厚生病院、函館五稜郭病院勤務を経て、平成26年8月より函館おおむら整形外科病院麻酔科に勤務。同月より副院長に就任。
函館おおむら整形外科病院
函館市石川町125-1 ☎0138-47-3300
http://www.ohmura.or.jp
■診療科目/整形外科・麻酔科(大村直久)・リハビリテーション科
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