光について
日光アレルギーという言葉を外来でよく耳にします。日光が原因となって出現してくる皮膚症状の事と思いますが、日光による皮膚の病気は、実は色々な原因があります。代表的なものとして、太陽光線にアレルギーを持つ日光蕁麻疹、薬剤によって引き起こされる薬剤性光線過敏症、膠原病や、ある特定の食べ物(例としてレモン、ライム、パセリなど)で引き起こされる光線過敏症もあります。
症状としては皆さんもご想像の通り、日光が当たる部分に赤みが出現し、痒みを伴うことが多いでしょう。また、湿布、化粧品、果汁や葉汁などが付いた所に日光が当たると、そこだけが赤くなり痒みを伴ってくる場合もあります。多くの光線過敏症では夏の強い日光暴露で生じることが多いですが、わずかな日光でも出現してくる可能性は十分にあるため、注意が必要です。
具体的な予防法として、日焼け止めの使用が良いでしょう。炎天下でのレジャー、スポーツなどではSPF30以上、PA++以上がおすすめです。顔全体に塗る場合、塗る量はローション剤で1円玉硬貨2枚分くらいを目安に。汗などで容易に落ちてしまうため、2~3時間ごとに塗り直すのが効果的です。また、帽子の着用や広範囲で肌を覆う服装も有効です。生地は木綿やレーヨンよりもポリエステルやデニム、色は淡い色よりも濃い色の方が、遮光効果が高いです。
言うまでもなく、長時間、日光に当たると、アレルギーがなくても日焼け(重症になると 火傷)や光老化(皮膚がん、シミ、しわ)の原因となります。そのためにも前記のような紫外線対策が重要となってきます。ただし、日焼け止めによって接触皮膚炎(かぶれ)を起こす場合もありますので、肌に異常を感じたらお近くの皮膚科への受診をおすすめします。
(ハコラク 2018年11月号掲載)
略歴
平成20年、岩手医科大学医学部卒業後、北海道大学病院、市立釧路総合病院、JR札幌病院、帯広厚生病院を経て、平成30年、函館中央病院皮膚科科長に就任。日本皮膚科学会皮膚科専門医。
函館中央病院
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