生活の中でお気に入りを身に着け
共に歩む自分だけの相棒に
ドライフラワーが彩る木のぬくもりある空間に、バングル、リング、イヤーカフなどシルバージュエリーが多種多様に並ぶ「ムクハンドメイド」。店内にある工房で槌を振るう代表の遠山陽太郎さんは、2002年に松風町のネイティブアメリカン雑貨店の立ち上げに携わり、店のジュエリー修理やカスタムを請け負う内、オーダーメイドの注文が増えたことから独立。シルバーをはじめ、金、プラチナを素材に、手彫りや打刻などの原始的な技法でジュエリーを製作し、今年6月で開業10周年を迎える。
遠山さんが手掛けるのは、一つひとつ槌目の質感が異なるシンプルなデザインからネイティブアメリカンの文化に着想を得たモチーフまで、全て手作業で形づくる一点もの。「全ての人に違うものを身に着けてほしい」との思いから、長年扱うモチーフも常に形をアップデートし、日々出会う人や見聞きする作品、未知の素材と、ジャンルを問わず気になるものをアイデアとして吸収。修業時代の師の作品から興味をひかれ、製作に原石を取り入れたり、新進気鋭の陶芸家との出会いを縁に有田焼の陶片を使う作品にも挑戦するなど、この10年でものづくりの幅は大きく広がった。「買ってほしいというより、使ってもらうことに意味があると思っているので、興味がわいたらちょっと店をのぞいて気になるものを手に取ってみてほしい。僕たちも未だに学ぶことばかり。分からないことは何でも聞いて」。使い続けることでその人だけのお守りになる…そんな、暮らしをそっと支えるジュエリーを届けている。
(ハコラク 2025年6月号掲載)
muku handmadeHAKODATE
函館市海岸町1‐7
☎0138‐83‐1869
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