北海道ブランドを追求 全国にはばたく函館発のお菓子を製造
誰もが知っているお菓子から土産品まで幅広く手掛ける
北海道限定の土産品としてリニューアルした「北海道サイコロキャラメル」を製造・販売している「道南食品」。1919年に函館市大縄町で前身にあたる「函館菓子製造株式会社」として発足。その後1936年「明治製菓株式会社函館工場」となり、1980年に株式会社明治の関連会社「道南食品株式会社」となって新たなスタートを切り、高度な技術を生かしてキャラメル、チョコレート分野で菓子製造、開発、販売を行ってきた。北海道素材にこだわり、その魅力を最大限生かす自社ブランド製品の開発に注力。俱知安町生まれのイラストレーターyukkyさんの、かわいらしくて少しシュールなキャラクターがパッケージを飾る「チョコキャラ村」、牛乳のおいしさを追求した北海道らしいチョコレート「北海道がチチチ。」、星型城郭をデザインした函館ご当地シリーズ「五稜星の夢チョコレート」などを数多く展開。このほか明治から発売されているチョコレートの製造も手掛けている。
味をほとんど変えずにおいしさをアップ
パッケージで遊べるお菓子の先駆けとして登場し、また、北海道ローカルテレビ局制作のバラエティー番組企画でも欠かせないアイテムとして注目を集めた「サイコロキャラメル」。同商品は1927年10月9日に明治製菓株式会社から全国で販売された商品。近年、少子化などの影響を受けキャラメル製品の国内市場が縮小、2016年3月に明治が販売を終了した折、道南食品は「本州より北海道ではなじみが深く親しまれている」とサイコロキャラメルの製造・販売に関するライセンスを取得。北海道土産として展開するため乳製品などの原材料を道産品に切り替えた。ロングセラー商品の味のイメージを残しつつ、品質を改良。同年6月「北海道サイコロキャラメル」としてリニューアル、2018年に富良野メロン果汁パウダーを使うサイコロキャラメルも追加した。今は主に道内の空港や駅などの土産店で販売しているが、観光客だけでなく地元の人も懐かしさから手に取る人が多いという。
正6面体包装の利点生かしコラボ商品も次々に展開
立方体の包装を作り、中にキャラメルなどの小さな菓子を詰める製造ラインを持つのは「現在は全国でもうちだけです」と関利也社長は言い、正6面体包装を活用しさまざまな企画を打ち出す。 北海道命名150年を記念しサイコロの目に道内各市町村名を印刷した白牛乳キャラメルの「北海道179市町村サイコロキャラメル」、JR北海道の410駅名標(2019年4月現在の在来線+新幹線駅)をサイコロの目に記載した「JR北海道駅名標キャラメル」など自治体や企業などと協働しコラボレーション商品を製造。大きな窓ガラス越しに製造過程が見られる工場見学も積極的に受け入れており、赤と白のサイコロキャラメルがモチーフの見学デッキは遊び心いっぱい。90年以上愛され続けてきたサイコロキャラメルが函館発のお菓子だと知ってもらうため、また、生誕100周年に向け、手に取った人が楽しく笑顔になれる菓子製造に今後も熱心に取り組んでいく。
道南食品株式会社
函館市千代台町14‐32
☎0138‐51‐7187
※10人以上から工場見学可能
(1週間前までに申し込みが必要)
ハコラク2020年4月号掲載