初代からの豆腐作りを継承し
風味豊かな懐かしい味を提供
道産大豆「とよむすめ」を主に使い、濃厚な味わいの豆腐を食卓に届けている「寺本豆腐店」の創業は戦後間もなく。現在は3代目を継いだ寺本稔店主が店の看板を守っている。寺本店主は関東で働いていたが、2003年に帰函し2代目の父・幸一さんから教わりながら豆腐作りをスタート。初めは納得のいく豆腐がなかなか作れなかったが、失敗も貴重な経験として糧にし、試行錯誤を繰り返しながら、消泡剤を入れず、にがりだけで作る豆腐を完成させた。販売しているのはしっとりとした食感の木綿豆腐やざる、寄せ、油揚げ、豆乳などで、創業者である祖父・義三郎さんへの尊敬の念を込め、商品名にその名を掲げている。早朝から足を運ぶ常連客はもちろん、子供の頃の思い出の味を求めて、帰省中に買いに来る人もいるという。寺本店主は「おいしいと言ってもらえることが何よりも励みになる」と話し、昔ながらの製法で、毎日夜中の2時から豆腐作りに勤しんでいる。
(ハコラク 2022年11月号掲載)
寺本豆腐店
函館市松陰町10‐19
☎0138‐51‐9050
6:30~18:00
※豆腐が無くなり次第終了
日曜・第4月曜、祝日定休
キャッシュレス決済利用可