たゆまぬ研究心が築いた大将こだわりの極上握り
住宅街に縄暖簾を揺らす「浜鮨」は、北斗市にあった寿司店で修業した長濵 司大将が、1975年に独立し一代で築き上げた店。「こだわりが店の味を守る」という信念のもと、函館近海産の旬のネタを中心に、青森県八戸市産のサバや松前町や戸井地区産の天然本マグロを仕入れ。シャリに使う米の種類や炊き方にも工夫を凝らし、自信を持って出せるものだけを握ってきた。
生けすから出したてのコリコリのアワビ、とろける甘さの甘エビを4尾使う握り…サービス精神旺盛なこの店の「極上鮨」には13貫以上の大振りなネタがずらり。丁寧に臭みを消し素材の旨みを引き出す光物の味わいは、職人経験の深さを感じさせる。「40年以上やってきて初めて気付くこともある。研究心は一生もの」と朗らかに語る長濵大将。カウンター5席のみの店内には、50代から本格的に描き始めたという大将の油絵が所狭しと並ぶ。あたたかみと懐かしさがあふれる雰囲気の中、飛び切りの寿司を気負わずに楽しませてくれる。
(ハコラク 2021年1月号掲載)
浜鮨
函館市神山3‐55‐11
☎0138‐52‐2860
11:30~22:00
不定休
P有り
喫煙可