一日一日と努力を積み重ね
うどんに込められた店の歴史を背負う
手打ちうどんの名店「上野」は、1955年に大門地区で創業した「手打ちうどん・そば おふくろ」の支店として76年に開業。創業者は3年前に急逝した2代目・上野亨さんの母親で、進学先の東京で戦争を経験し、疎開先で食べさせてもらい命拾いしたという手打ちうどんが味の原点。現在は亨さんと結婚以来40年以上うどんを打ってきた順子さんと長男の城さんが二人三脚で店の味を受け継ぐ。
前日の朝から仕込みを始めるうどんは、生地の練り込み、足踏みをしっかりと繰り返し、丸1日寝かせることで生まれる独特のコシが自慢。3日間かけて熟成させる香り高いつゆが土鍋でグツグツと煮立つ「なべやきうどん」(1280円)は、ホッケのすり身や焼き餅、エビ天、豚肉など12種類の具材がたっぷり入った1番人気。4世代に渡って通い続ける人もいるこの店の暖簾を背負うことは、ひと言では言い表せない重責があるというが、「おいしい、また来るね」の声を糧に、たゆまぬ努力で100年続く味を目指している。
(ハコラク 2020年11月号掲載)
手打ちうどん・そば上野
函館市湯川町1‐23‐6
☎0138‐57‐4341
11:00~15:00
17:00~19:00
金曜定休
禁煙 P有り