時代が変わっても輝き続ける
一貫に詰まった客への思い
9坪ほどの小さな店舗から始まった「桔梗 黄金寿司」。木村悟大将は東京・赤坂などで8年間修業後、函館市内の寿司店に勤務。そこで知り合った妻・美恵子さんと桔梗町で独立開業。広々とした現在の店舗に移ってからは、いとこの木村正則さんと共に30年以上店を守ってきた。ヒノキのカウンターの上にずらりと並べた新鮮な魚介やいけすから出したばかりのボタンエビの握り、旬の焼き物と、どれも素材の味・食感を引き出す職人技が光る。年配の人には食べやすいようネタに包丁を入れ、酒を楽しむ人にはシャリを小さくするなど気を配り、一人ひとり口にした瞬間が最良になるよう握ってきた。その味は地元はもちろん道外の客にも親しまれ、近隣に実家があるGLAYのボーカル・TERU御用達の店として全国からファンが訪れる聖地的スポットにもなった。かつて畑が広がっていた店の周辺に今では飲食店も増え、時代は大きく流れてきたが、何よりも客を大切に思う大将の人柄と一切の妥協の無い味は、変わらぬ輝きを放っている。
(ハコラク 2020年4月号掲載)
桔梗 黄金寿司
函館市桔梗4‐1‐7
☎0138‐46‐5252
11:30~21:00
水曜定休
喫煙可 P有り