磨き上げた職人技と真摯な仕事で
一人ひとりに喜ばれる味を貫く
「函館 弁天寿し」は、かつて函館市大門地区にあった複数の寿司店で修業した松谷武人大将が一代で築いた店。創業当時は寝る暇がないほどの忙しさだったと言い、現在は息子とともにカウンターに立っている。満席になる日が多いため暖簾を出さずに営業しているが、評判を聞いた海外の観光客が店先に並ぶことがあり、予約してから訪れるのが確実という。
入舟町で水揚げされたウニはのりを巻かずに風味を生かし、江差町産のシマエビはギュッと詰まった甘みを存分に味わわせる…。「近海産はもちろん、良いネタを使うのは当たり前。大事なのはシャリ」と、食べやすく、口の中でほどける握りを追求。大抵の人が注文するという「特上寿し」(1980円)は、握りたてにしかない味を楽しめるよう付け台に1貫ずつ提供。食べる人がどこから来たのか、どんな好みか、冗談交じりに会話の中で聞きながら、一人ひとりに合わせて出すネタを決めている。30年以上値段を変えず、時に商売を抜きにして真摯に喜ばれる寿司にこだわる大将の心意気が、愛され続ける由縁だろう。
(ハコラク 2023年7月号掲載)
函館 弁天寿し
函館市大町5‐16
☎0138‐22‐1087
12:00~ラスト
※シャリが無くなり次第終了
火曜定休
禁煙